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2013年 11月 19日
小春日和の日曜日、多和田葉子×高瀬アキの朗読音楽劇『魔の山』を観にいった。
シアターXで毎年11月に行われていて、いままでに何度か観に行っている。毎年おもしろいのだけど、今年のはとくに凄かったのだ。なにが凄かったのか...。 毎回、なにか文学作品を題材として、その一部を朗読しながら、ちょっと小道具を加えたり、ピアノの即興を加えたりして楽しませてくれる。多和田葉子さんの朗読も、独特でおもしろい。先日の詩人たちの朗読会といい、文筆家は声がよく、朗読がうまい....。 今年のお題はトーマス・マンの『魔の山』だった。 病気とそこにからんでくる社会のゆがみ、はては戦争まで話が及び、最後には、紙芝居と称して延々と語られる「原発ものがたり」。ナカソ寝太郎がでてきたり、原発推進はサメの養殖に喩えられる。その紙芝居としてのちょっとばかばかしく仕立てた物語のなかに込められた怒り...それが、凄かったのだ。 終演後のトークセッションでも次から次に質問がとんだ。 「芸術作品に政治的要素を入れることについて」問われると 「3.11以降、原発のことをテーマと選ぶことに迷いはなく、自分にとって他の選択肢はなかった」と、きっぱりいう多和田さん。かっこいい。 そのうち、多和田葉子さんの怒りは、小説に込められて世にでるのだろうと思う。 ぬめぬめとしたサメの養殖事業を物語の力でぶったぎってほしい。 作家にはきっとそれができるのだ。 その場にいてエネルギーをもらっている自分がいて、 そう確信した。 煽動とは違う方法で、ひとに静かにエネルギーを分けていく。 そういうひとになりたいとおもった。
by owantobooks
| 2013-11-19 23:59
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